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June 02, 2004

性別がまぎらわしい声《まぎらわしさ評点 8》


阪神タイガース担当記者のM氏は、優勝目前の二軍チームを追っかけて、とある地方球場まで取材に来ていた。M氏は、ある日のコラムに「阪神タイガースはきっと彗星のように戻ってくると信じようではありませんか」と書いている。一軍は、彗星のように太陽系の彼方に去っていってしまった。もっか、どん底の借金25である。二軍は優勝目前なのだが。


二軍戦でも地方球場では、選手が打席に立つときにはちゃんとアナウンスが入るのだ。M氏は、ウグイス嬢の声を聴いた瞬間、背筋がぞくっとした。濁りのない澄み切った声だ。一目ぼれならぬ一耳ぼれという現象がありうるとしたら、今のM氏がまさしくそうに違いなかった。


試合が終わるまで待ちきれなかった。この声の主に一目会いたい。幸い自分には記者の特権がある。ということで、試合中の取材もそこそこに、M氏は球場事務所を訪れた。この球場には、専用の放送室があるはずもなく、ウグイス嬢も球場事務所からアナウンスしているに違いなかった。


「あのー、ゲイリースポーツの者ですが。ウグイス嬢の方のことも取材したくて」
それを聞いて、事務所の中に3名いた男性のうち2名が腹を抱えてゲラゲラと笑い出した。もう一人は、恥ずかしそうに俯いている。肩幅の広い、まるで野球選手みたいな男っぽい若者だ。


「おい、ウグイス嬢さんよ、取材に応えてあげなさい」
「かんべんしてくださいよ」ガッチリした若者の声とは思えぬ澄み切った美しい声がその若者の口から発せられた瞬間、M氏は意識が遠くなりそうな感覚に襲われたという。


性別がまぎらわしい声は、こんなふうな小さな悲劇を生み出すこともあるのですね。この場合のまぎらわしさは8点くらいに評価しておきましょう。


一方、そんなふうにまぎらわしい声の持ち主でありながら人々を感動の渦に巻き込んでいる人もいます。世界に3人しかいないソプラニスタの一人、岡本知高のように。

cover

ソプラニスタとは、クラシック音楽の世界において、男性でありながら、地声でソプラノの音域が出る男性歌手に与えられる称号。「地声」というのがポイントです。裏声(ファルセット)でソプラノの音域が出る男性は、たまにいます。裏声と地声では声量に大きな違いがあります。しかも、岡本知高はジャケットを見ても分かるように、かなりの体格の持ち主。女性のソプラノ歌手に比べても、声量の点で大きなアドバンテージがあります。


しかし、何も知らない人が彼の歌だけを聞いていると、決して男性の歌声とは思わないでしょう。ちょっと前に話題になった「ボタンと薔薇」というお昼のメロドラマでも彼の歌声が使われていたようですが、女性の歌声だと信じて疑わなかった人も少なくないはず。





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» まぎらわしさ [用語解説 - なんでも評点から]
この世には、いろんなまぎらわしさが渦巻いていますが、「意図しないまぎらわしさ」と「意図的なまぎらわしさ」の二種類に大別できそうです。 「たとえば、ンとソ、0とO...」の記事で言うと、ソとンがまぎらわしい筆跡は、意図しないまぎらわしさになります。信用状をわざと ほー。今度、ネタに使わせてもらってもいいですか?(笑) 続きを読む

受信: Jul 4, 2004 11:40:54 PM

コメント

私はテノリスタと呼ばれています。女性だけど、ちょっと高めの男性ボーカルの歌だったら、低音域も楽々、まったく同じ音程で歌えます。ニューハーフじゃないかといわれたときはショックでした^^;

投稿者: とにこ (Jun 7, 2004 1:18:02 AM)

ほー。今度、ネタに使わせてもらってもいいですか?(笑)

投稿者: miccckey (Jun 8, 2004 3:48:28 PM)

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