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June 01, 2004
電話でまぎらわしい言葉《まぎらわしさ評点 5》
Tさんは、最近連絡を取っていない友人のZさんに久しぶりに連絡してみようと思いました。Tさんは、ここのところ仕事が忙しくTVも見ず、新聞も読んでいなかったため、まさかZさんがそんなことになっているとはつゆ知らず、虫の知らせだったのかもしれません。
Zさんの会社に電話してみると、なかなか電話に出ません。やっと、息せき切った感じで女性が電話に。
「はい。○○物産です」
「あのー、Zさんいらっしゃいますか? 友人のTと言います。私用の電話ですみません」
「え? Zは、本日、出張しました」と、なぜか無愛想な受け答え。少しムカついたが我慢。
「明日は出社なさいますか? でしたら明日お電話します」
「え? そんな簡単には無理でしょう」
「は?」
「出社には時間がかかると思います。この後、サイパンとかもありますし」
「サイパンに出張なんですか?」
ひっきりなしに電話の呼び出し音が電話の向うから聞こえてきます。
「すみません。電話応対に追われていまして・・・」
「はあ。じゃあまた電話します」
電話に出た女性は、出張とも出社ともサイパンとも言わなかったそうです。そうではなくて、出頭・出所・裁判と言ったのです。
その会社は、いま会社ぐるみの不正が発覚して、大変なことになってる真っ最中でした。
というようなケースのまぎらわしさは5点とします。まぎらわしさに関しては、どうしても評価が辛くなってしまいます。普通の状況ならめったに取違える言葉じゃないでしょうし。
まあ、この場合、ニュースを全然聞いていないTさんにしたら「出頭」や「出所」という言葉が出てくるなんて、想像だにできないこと。
片や、会社ぐるみの不正が発覚して世間からの批難の矢面に経たされている会社の一社員としては、出頭という言葉を聞き違える人がいるなんて考えられないし、出社なんて言葉は出所という言葉に自動変換されてしまいます。
まぎらわしさというのは、人間の思い込みに密接に関係していますね。
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» まぎらわしさ [用語解説 - なんでも評点から]
この世には、いろんなまぎらわしさが渦巻いていますが、「意図しないまぎらわしさ」と「意図的なまぎらわしさ」の二種類に大別できそうです。 「たとえば、ンとソ、0とO...」の記事で言うと、ソとンがまぎらわしい筆跡は、意図しないまぎらわしさになります。信用状をわざと
やっぱり「はがゆい」とは違いますかねえ。分かってるのにコントロールできないという意味で「はがゆさ」かなと思ったんですが、貴重なご意見ありがとうございます。 続きを読む
受信: Jul 4, 2004 11:41:41 PM